Kのhimaブログ

暇人が気まぐれに語ります。

地球温暖化の「なぜ」

地球温暖化について調べていたら、こんなページを名古屋大学のサイトに見つけました。
https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/
「地球温暖化50のなぜ」


この「50のなぜ」から、いくつか紹介します。


はじめに「43.温暖化はどうすれば防げる?」を紹介しておきます。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/43.html

43.温暖化はどうすれば防げる?


温暖化を防ぐには、大気中の温室効果ガスの量を減らすことが必要です。では、どのようにすれば温室効果ガスは減るのでしょうか。

まず思いつくのは、大気中に出す温室効果ガスの量を減らすことですね。車での外出を減らすとか、冷房の温度設定を高めにすることでエネルギーの使用量を減らせば、エネルギーを作り出すための化石燃料の使用量が減り、その結果、大気中に出る温室効果ガスの量が減ります。ごみを出す量を減らすのも、ごみ処理にかかるエネルギーを減らすことになり、同様の効果があります。

……

↑こんなことが書いてあるあたりは、オレには全く賛成できません。
しかしよく読めば、参考になることも書いてあります。
以下に、いくつか紹介します。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/4.html

4.地球温暖化はいつごろから始まったの?


46 億年前、地球は灼熱のマグマオーシャンでした。その後、地球はどんどん冷えて、海洋と大気が形成されたわけですが、数十億年という歴史の中で地球は、氷河期のような数万年から数千万年にわたる大きな気候変動を何回も経験してきました。そうした長い大きな変動の中でみると、今は 2 万年ぐらい前から始まっている「温暖化」の途中の段階にあるといわれています。


ただし、これは最近よく問題にされている「地球温暖化」とは違います。最近問題となっているのは、ここ数百年程度の間の温度上昇、特にその原因として人類の生活・経済活動が関連しているかどうかということです。1980 年代から、アメリカの議会などでこの問題が議論されるようになりました。1989 年には、ある科学者がアメリカの議会で「99%の確率で温暖化は起きる」と 発言したことにより、さらに注目を集めました。

注意しなければいけないのは、人間の活動とは別な原因で起きる数年程度の異常気象や数十年程度の気候変動が、「もともと」存在するということです。後にも述べますが、この「もともとある」 温度変動と、人間活動が原因と考えられる温度変動とを、しっかりと区別することは容易ではありません。

…ということで、「地球温暖化はいつごろから始まったの?」に 正確に答えることは、そう簡単なことではないのです。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/6.html

6.今は地球の歴史の中でどれぐらい暖かい?


地球ができた当時の太陽放射は、現在よりも25%程度少なかったのですが、大気中の二酸化炭素が多く、温室効果のため温暖であったといわれています。その後、二酸化炭素が減少して地球は寒冷化し、氷河期と間氷期を繰り返します。現在はっきりとわ かっている氷河期で最も古いのは、7 億 5 千年前にあったものです。最近では、このとき(そしてこれ以前にも数回)、地球全体が凍りついた時期があったのではないかという考え(「スノーボールアース仮説」)も提唱されています。

その後気候は温暖になり、海中の動植物が繁栄しました。3億年前ごろには再び氷河期を迎え、多くの海洋生物が滅亡しました。そしてまた温暖化し、今度は恐竜時代に入ります。

6500 万年ぐらい前からは、恐竜に代わって哺乳類などの時代となりますが、最初のころは現在より 10 度ほど温暖であったといわれています。そして 3 ~ 4 千万年ほど前に温度が下がりはじめて、現在へとつながっています。

過去 100 万年程度の間にも、数万年の氷期と間氷期が繰り返され、10 度程度の温度変動がありました。現在は、2 万年ぐらい前からだんだん暖かくなっている途中にあると考えられています。ただし、長い地球の歴史全体からみると、特に暖かいというわけではなく、どちらかというと涼しい時期にあたります。

この「4.地球温暖化はいつごろから始まったの?」と
「6.今は地球の歴史の中でどれぐらい暖かい?」を読むだけで、
人為的地球温暖化説がいかにウソくさいかが分かりますね。
「4」と「6」ではこのように書いておきながら、
どうして「43」では「温暖化を防ぐには、大気中の温室効果ガスの量を減らすことが必要です」と書けるのか、
不思議な気がします。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/8.html

8.昔の気温はどうやって調べる?―その2


地球上の物質を作っている元素は原子核と電子からできており、さらに原子核は陽子と中性子からできています。電子はマイナスの電気、陽子はプラスの電気を持っており、中性子は電気を持っていません。通常の元素は電気的に中性(=プラスマイナスゼロ)なので、電子の数と陽子の数は同じで、この陽子の数によって元素が区別されます。ところが、同じ元素(たとえば酸素)でも、中性子の数が異なるものが何種類も存在します。このような原子を「同位体」といいます。たとえば、酸素の原子核内の陽子の数は 8 ですが、中性子の数が 8 個の16O、中性子の数が 9 個の17O、中性子の数が 10 個の18O が存在します。

水は酸素と水素からできています。そして、同じ水でも、16Oを含んだ水は中性子 2 個分「軽い」水で、18O を含んだ水は「重い」水です。水蒸気が凝結して液体の水になる温度は、軽い水の方が低く、温暖な気候では、「重い」水の方が凝結して雨粒や雪になりやすい性質があります。反対に気候が寒冷のときの雨は「軽く」なります。そこで、昔に降った雨や雪の重さ(= 18O の多さ) を調べれば、そのときの気温を推定することができます。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/9.html

9.昔の気温はどうやって調べる?―その3


南極や北極では毎年雪が降り積もります。そのため、極地の氷床に穴を掘って深いところに行くと、昔に降った雪の状態が保存されていることになります。そこで、昔の氷の層に含まれている酸素の同位体比を測定すれば、昔の温度を推定することができるはずです。ボーリングで深い穴を掘り、円筒状の氷の柱を切り出し、円筒の上から下に順番に酸素の同位体比を調べることにより、時間を過去に順にさかのぼって気温を推定することができるというわけです。

日本のチームも、南極の標高 3800 m もある氷床の頂上近くにある「ドームふじ」というところで、氷の切り出しを行っています。これまでに 2500 m までの掘削に成功し、34 万年前までをカバーしています。岩盤までたどり着くと、100 万年ぐらい前までの気温の変動が予測できると期待されています。

北極にも同じような氷床はありますが、最も古いところでも30 万年ぐらい前と考えられています。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/10.html

10.温室効果ガスって何のこと?


地球大気の主成分は窒素分子(N2)で、約 80% を占めています。残りの 20% のほとんどは酸素分子(O2)で、水蒸気が 1% ぐらいです。温暖化でよく問題にされる二酸化炭素分子(CO2)は、

100 分の数パーセントとごく少量しかありません。どうして大部分の窒素や酸素は温暖化で問題にされずに、少量の二酸化炭素が問題にされるのでしょうか?

それは、それぞれの分子の性質によります。二酸化炭素分子(CO2)は、赤外線と呼ばれる波長の長い光(電磁波)をよく吸収する性質を持っています。このような赤外線を吸収する気体を、温室効果ガスといいます。二酸化炭素の他に、水、メタン、一酸化二窒素(N2O)、フロンなどはそのような温室効果ガスの仲間です。赤外線と温暖化の関係は、もう少しあと(13、14、15) で説明します。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/16.html

16.酸素や窒素はどうして温暖化に影響しないの?


地球大気の約 8 割は窒素分子(N2)で、残りの 2 割のほとんどは酸素分子(O2)です。しかし、これらの分子は温暖化には関係ありません。なぜでしょうか?

太陽からの可視光や地球から宇宙に逃げていく赤外線などの電磁波は、電気的な振動が空間を伝わることで進んで行きます。宇宙空間などの真空の場所では、電気的な振動が次々と連鎖して起こるため、電磁波は何も影響を受けず、どんどん先に進んで行きます。一方、物質のあるところでは、物質の影響で振動の連鎖が起こりにくくなることがあります。大気の場合には、大気中の一部の分子がこのような震動が先に伝わって行くのを邪魔するというわけです。


分子は原子からできています。そして原子は、原子核と呼ばれるプラスの電気を持った粒と、原子核を中心にして広がって分布している、電子と呼ばれるマイナスの電気を持った粒から構成されています。N2も O2も、同じ原子からできているため、この電子の分布のバランスが取れています。

ところが、分子が異なる原子からできていると、原子によって電子を引き寄せる傾向が異なります。すると、分子の中の電子が均等に分布せず、プラスに偏った場所とマイナスに偏った場所ができます。この「分布の偏り」が、バネのように、振動したり回転したりすると、電気的な振動が生じ、電磁波を放出します。また逆に電磁波がやってきて、電磁波のエネルギーが分子の中の電子の偏りを揺するエネルギーに変えられると、電磁波はその分子に吸収されます。温室効果気体は、このような電子の分布に偏りがある分子なのです。ちょっと難しすぎたかな。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/19.html

19.太陽活動と地球の気温は関係があるの?


地球は太陽からの放射で温められています。そのため、太陽活動は地球の気候に影響を及ぼしているのではないか、と誰もが考えることでしょう。

太陽は、ほぼ 11 年の周期で、活動が活発になったり静かになったりします(詳しくは「太陽・太陽風 50 のなぜ?」を読んでください)。しかし、この太陽活動の変化によって、太陽から放射さ れる可視光の量は、0.1% ぐらいしか変化しないことが観測でわかっています。では、太陽活動は気候に影響しないのでしょうか?

17 世紀から 18 世紀にかけて 70 年間ほど、太陽活動が衰退し不活発だったマウンダー極小期と呼ばれる時期がありました。その時期は、気候が寒冷化した小氷期とほぼ一致することが知られています。また、これより昔にも、太陽活動と小氷期がほぼ一致していることを示すデータもあります。太陽活動と地球の気候の間には、何か関係がありそうですね。

最近では、太陽から出てくる太陽風の変化によって、宇宙からやってくる宇宙線の量が変化し、それが雲の量を変化させ、それによって地表に降り注ぐ太陽からの放射が変化するのだという考えもあります。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な複雑なカラクリですが、そのカラクリはまだ定量的に証明されていません。

『「風が吹けば桶屋が儲かる」的』とは、なんだか感じの悪い表現だなー。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/20.html

20.地球の公転や自転と気候変動は関係があるの?



地球が太陽の周りを回り(公転)、地球自身も回転(自転)していることはよく知っていますね。また、地球の自転軸が 23.5度だけ公転軸から傾いているので、夏と冬が毎年やって来ることもご存知でしょう。しかし、地球の自転軸が4万年ほどの周期で22度から25度の間で変化することや、自転軸が 2万6千年ほどの周期でコマのように「ゴマすり運動」していること(歳差運動といいます)は、あまりご存知ないのではないでしょうか。

太陽の周りを回っている公転の軌道は完全な円ではなく、楕円軌道であることはどうでしょう。そのために、太陽と地球の間の距離は、近いときと遠いときで、500 万 km ほど違います。このように、自転軸の変化と公転軌道がからみあって、太陽と地球の位置関係は数万年の時間で変化しています。

太陽ー地球の位置関係の長期的な変化と、地球上の気候変動の間に関係があることを計算し、指摘したのがスペインの数学者ミランコビッチです。ミランコビッチは、1 万 9 千年、2 万 3 千年、4 万 1 千年の周期的な変動があると予測しましたが、その計算結果を発表した 1920 年から 1930 年には、彼の理論と比較できるような観測データがなく、評価されぬまま一生を終えました。彼の死後、酸素の同位体を用いた温度推定が行われるようになり、予測と合致することが明らかになりました。こうして、彼の研究は脚光をあびることになったのです。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/24.html

24.雲は温暖化にどう影響する?


皆さんもご存知のように、雲は大気中の水蒸気が水滴や氷粒になったものです。雲は、温暖化ではとても複雑な働きをします。まず、雲のもとになる水蒸気は赤外線を吸収するため、温室効果気体として働きます。これが水滴になって大気の下層で雲になると、太陽からの光を反射し、温度を下げる作用をします。

一方、絹雲など上層の雲は、太陽の光をあまり反射せず、逆に赤外線を吸収して大気を暖める方に働きます。水蒸気が増えると、温室効果がより進むようになりますが、それは同時に雲も増やして地表にとどく太陽の光を減らし、温暖化を抑制することになります。すぐ前にお話したエアロゾルと同じように、雲は温暖化に影響を与えますが、温暖化に対してプラスの影響が出るかマイナスの影響が出るかをきちんと予測するのは難しいことです。


https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/ondanka/50.html

50.温暖化は政治的な問題?科学的な問題?


この冊子でみてきたように、地球温暖化は科学と政治の両側面を持った問題です。現状をきちんと分析し、将来をできるだけいい精度で予測することは科学の問題です。科学は予測しますが、対策はたてられません。たとえば、「台風が来るぞ」といったとき、外出を控えるとか、庭にころがっているバケツをしまう、といった個人的な対策は、科学的予測で呼び起こすことができます。しかし、川が決壊するのを避けるために土のうを積むとか、危ないときに避難を促すなど、複数の人間(=社会)を相手にした対策は、政治とは切り離せない問題です。温暖化は全地球的な問題ですから、地球上にあるすべての国々が、加害者にもなり、被害者にもなりうる、国際的な政治問題でもあります。

ただ大事なことは、科学者が出した研究結果・予測の中で、政治家や特定の国が都合のよいところだけを切り取って、自分の有利な方へ話をすすめないように、目を光らせることです。そのためには、私たち一人一人が科学者の言うことを理解しようとし、政治家の言っていることが正しいかどうか考えなければなりません。また、科学者も、一般の人が理解しやすいよう、わかりやすく話しをする必要があります。この本がきっかけとなり、皆さんがこれから、温暖化問題を自分たちの問題として理解し、考えるようになってくれれば、幸いです。

最後にいい事を言ってくれました。


みなさん、参考になりましたでしょうか。