Kのhimaブログ

暇人が気まぐれに語ります。

無毒化してないワクチンのスパイク

分子生物学・免疫学者の荒川央(あらかわ ひろし)博士のnote記事
https://note.com/hiroshi_arakawa/n/n28aae5e250ce
『なぜワクチンに使われる遺伝子の毒性を無くさなかったのか?
2021年10月2日 04:16』
より

ワクチンとは基本的に健康な人を対象とするものであり、「治療」のためではなく「予防」のために行うものですので、病気になってしまった人を対象とする治療薬とは要求される安全性のレベルがそもそも異なります。ワクチンの作製方法はいくつもありますが、基本的には毒性を無くす、あるいは極力0に近くする事が原則となります。


では毒性のあるタンパクを例えばワクチンなどとして使わなければならない場合があるとして、その毒性を無くすにはどうしたら良いか。ここでは分子遺伝学などの実験で時々使われるジフテリア毒素を見本に考えてみましょう。毒性の排除方法の参考例の一つとして考えてください。


(中略)


コロナに話を戻します。コロナウィルス 、コロナワクチンに共通する毒性はスパイクタンパクによるものですが、その毒性にはいくつかの要因があります。細胞表面に突出したスパイクタンパクの棘も血栓の原因になります。フリン切断部位もスパイクタンパクの血流への循環や毒性に関与しているようです。プリオン様モチーフもプリオン病を引き起こす可能性が示唆されています。そして何よりも主な毒性は、ACE2に結合する事によって血管内皮細胞を含むACE2発現細胞を障害する事です。


スパイクタンパクのACE2結合部位に変異を入れるだけでも、血管内皮細胞障害に関した毒性を排除する事ができます。RBD (受容体結合ドメイン)だけをワクチンに使うか、NTD (N末端ドメイン)も加えるかといった問題ではありません。タンパク全体を使いながら不活性化型にする事は生物学の実験ではよく行われます。しかしながら、ただ変異を入れれば良いという問題でもありません。変異が予想しない結果につながる恐れもあるからです。例えば即効性の毒であるジフテリア毒素とは違い、コロナのスパイクタンパクの毒性は短期のものだけではなく中長期のものもあり多様です。ワクチンとしての機能、毒性の評価、ADEを起こすかどうか、等。やはり長い時間をかけて検証しないといけません。ワクチンが短期間で完成するとすれば、それは安全確認を怠った場合でしょう。


遺伝子ワクチンはもともと遺伝子操作で作られていますので、スパイクタンパク遺伝子を改変する事自体は簡単ですし、実際それが売りだったはずです。抗原として大事なのは「形」であり「機能」は必要ありません。そもそも抗体が認識するのはタンパクのほんの一部です。抗原の抗体結合部位は一般的にはアミノ酸5~8個くらいです。タンパク全体のうちの1アミノ酸や数アミノ酸を置換したところで、抗原性 (部分的な形)が大きく変わるわけではありません。抗原として働くべきワクチンに毒性は必要悪ですらないという事です。抗原性を残したまま毒性を排除する事はできますし、そうしなければいけませんでした。遺伝子上からどうやって毒性を除くか。それは外野が指摘するような事ではなく、ワクチン開発者自身の最も重要な仕事の一つでしょう。毒性が複雑すぎてどうしても毒性を全部、あるいは十分に取り除けないとしたらどうするべきなのでしょうか。それは「そのタンパクがワクチンに向いていないのでワクチンに採用してはいけない」というだけの事です。毒性のある遺伝子を毒性を意図的に無くさないまま使っているのだとすれば、私はそのデザインに何らかの悪意を疑います。


なぜ世界中の健康な人間に打たせる為に作ったワクチンの毒性を無くす努力をしなかったのか。そのデザインは偶然なのか、失敗なのか、無知なのか、故意なのか。やはり疑問が残ります。

(省略した部分も面白いので、興味のある方は、荒川博士の元記事を読んでみてくださいね。)
この話が、おれが前回の記事で紹介した論文の話につながっていくわけです。


(荒川博士も、同じ論文について記事を書いていらっしゃいます。
https://note.com/hiroshi_arakawa/n/ndb171b1607cb
『スパイクタンパクはDNA修復、V(D)J組換えを阻害する: Virusesに掲載された論文から
2021年11月15日 05:16』)



印象に残った部分をもう一度。

タンパク全体を使いながら不活性化型にする事は生物学の実験ではよく行われます。しかしながら、ただ変異を入れれば良いという問題でもありません。変異が予想しない結果につながる恐れもあるからです。……コロナのスパイクタンパクの毒性は短期のものだけではなく中長期のものもあり多様です。ワクチンとしての機能、毒性の評価、ADEを起こすかどうか、等。やはり長い時間をかけて検証しないといけません。ワクチンが短期間で完成するとすれば、それは安全確認を怠った場合でしょう。

タンパク全体を使いながら、不活性化型にすることも、
長い時間をかけた検証も、行われていない。
安全確認を怠った、とんでもないワクチンです。


この新型コロナワクチンって、いったい何のためのワクチンなんでしょうか?