Kのhimaブログ

暇人が気まぐれに語ります。

話題の阪大研究。報道発表から用語解説だけ紹介

こんな読み方があってもイイんじゃない?
というわけで、話題の研究のプレスリリースから、用語解説の部分だけ紹介します。


▼プレスリリース
新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性―
大阪大学
日本医療研究開発機構
https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html より

用語解説


*1:RBD(Receptor Binding Domain)

Receptor Binding Domain (受容体結合領域)は新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Spike)が細胞の受容体であるACE2と結合する領域。閉じた構造のRBDはACE2に対する結合性が低いが、開いた構造のRBDが増えるとACE2に対する結合性が高くなり、感染性が高くなる。


*2:ACE2

新型コロナウイルスが細胞へ感染するときの細胞表面受容体。


*3:NTD(N-Terminal Domain)

N-Terminal Domain(N末領域)はスパイクタンパク質(Spike)のアミノ酸のN末の領域で、機能はよくわかっていない領域。


*4:抗体依存性感染増強(ADE)

ウイルス粒子に抗体が結合することで感染が増強する現象。これまでは、ウイルス粒子に抗体が結合すると、抗体の受容体であるFc受容体*5を発現しているある種の免疫細胞にウイルスが感染しやすくなると考えられていた。デングウイルス等で見られる抗体依存性感染増強はFc受容体を介しているが、本研究によりFc受容体非依存性の抗体依存性感染増強機構が初めて明らかになった。


*5:Fc受容体

一部の免疫細胞の表面に発現する受容体で、ウイルス等の病原体に付着した抗体に結合して、免疫細胞の活性化などに関与する。


*6:クライオ電子顕微鏡法

電子顕微鏡を用いて、分子の構造を解明する新たな手法。

図もちょっとだけ紹介しておきます。
▼http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/20210525-1000.htm より

これだけでも十分面白いですネ。